観音三十三身
観音三十三身について
1. 楊柳観音/薬王観音
左手は施無畏印を結ぶ、右手に柳の枝を持つ女性の姿。
象徴:柳の枝は強い生命力を持っており、仏教の盛んな発展を象徴している。
守護:すべての病を取り除く。
2. 龍頭観音
瑞雲の中で龍に乗って姿を現れ、龍の頭の上に座っているか、立っている。
象徴:獣の王である龍は、観音の力の象徴である。
守護:雲と雨を呼び、大地を祝福し、豊作にする。
3. 持経観音
岩の上にあぐらをかいて座り、左手を膝の上に置いている。
象徴:手に巻物を持つことは、説法することを意味する。
守護:学問の成功。
4. 円光観音
蓮の花の中に座り、丸く明るい光背がある。
象徵意涵:丸い光は太陽の光であり、観音菩薩の福徳が満ちている。
守護:風と火を鎮め、魔物を鎮める。
5. 遊戯観音
色とりどりの雲に乗り、左手を臍の脇に置き、戯れる様子を表している。
象徴:観音様の教えが完璧であることを象徴している。
守護:心を入れ替え、善行を重ね、功徳を積み、商売繁盛を守る。
6. 白衣観音
白衣をまとい、岩の上に座り、左手に白い蓮の花を持って災厄の回復を祈り、右手は与願印を結ぶ。
象徴:白は純粋を表し、観音は菩提の心を持つことを意味する。
守護:冤魂を成仏させ、災難を取り除く。すべての苦しみを取り除き、幸運に変える。
7. 蓮臥観音
蓮の葉の上に横たわっている。
象徴:蓮の花の上に臥す若き王の尊い地位を象徴している。
守護:子宝に恵まれる、安らかに眠る。
8. 瀧見觀音
崖の上に座って滝を眺める。
象徴:水の流れ(生命の源)を恋しがる水の神と見なすことができる。
守護:干ばつを治し、豊作をもたらす。
9. 施薬観音
右手を頬に当て、目の前の蓮の花を見て瞑想している。
象徴:観音菩薩は常に世の苦しみに心を配り、衆生を病から救う。
守護:疫病と衆生の肉体的・精神的苦痛を取り除く。
10. 魚籃観音
片手に魚籠を持った美しい女性に変身し、人々に仏教を学ぶよう助言する。
守護:羅刹、毒龍、悪霊などの障害を取り除く。
11. 徳王観音
徳王の姿勢で、岩の上に座り、右手に柳の枝を持ち、左手を膝の前に置いている。
象徴:梵王は色界の主であり、その徳は非常に高く、徳王と呼ばれている。 観音の徳の象徴である。
守護:人々を困難から救い、加護する。
12. 水月観音
冠をかぶり、華やかな衣服と宝飾品を身につけ、右膝を曲げて左足を垂らしている。
右手は膝の上に軽く置き、左手は座の上に置いている。
象徴:蓮華座に座り、水面に浮かぶ月を眺める姿は、色と空に関する仏陀の教えを象徴している。
守護:怒りや不満を解消し、恐れをなくす。
13. 一葉観音
蓮の花びらの上に座り、水に浮かんでいる。
守護:災いを転じて福となす。
14. 青頸観音
断崖絶壁の端に座り、右膝を立て、右手は膝の上に、左手は崖の壁に添えている。
象徴:首の緑色は煩悩即菩提の象徴である。
守護:衆生を救うために悪魔を降伏させる。
15. 威徳観音
右手を地面につき、左手に蓮の花を持ち、岩場で水面を眺めている。
象徴:三十三身のうち天大将軍の身を表す。
守護:激戦を突破する。
16. 延命観音
川辺の岩場に座り、水の流れ(生命の継続)を眺めている。
象徴:「延命」という言葉は吉祥を表す。 生命から新しい生命が生まれることを象徴する。
守護:奇病を治し、呪いや毒を取り除く。
17. 衆宝観音
池のほとりに座り、右手を地面に、右足を伸ばし、左手を膝の上に置く。
象徴:衆宝は観音菩薩の無限の力、あるいは富と豊かさという現世の功徳と利益を意味する
守護:家族の繁栄。
18. 岩戸観音
岩窟に座って瞑想している。
象徴:洞窟は宇宙、または生命が生まれる母胎を表す。岩窟に座っている姿は、宇宙の生命の神、
人間の生命の神の本来の姿を表している。慈悲、孝行、義、徳に満ちている。
守護:三毒の苦しみをなくす。
19. 能静観音
海辺の岩場に座って瞑想している。
象徴:海難から人々を救う観音様の力を象徴している。
庇護:家庭円満、海難から救う。
20. 阿耨観音
阿耨達池のほとりに座り、両手を絡めて海を眺める。
象徴:阿耨は、「この上なく優れている」ことを意味する。
守護:炭鉱崩落の難を救う。
21. 阿摩堤観音
白い獅子に乗り、その体は火で輝き、四本の腕は摩竭魚、白い瑞鳥、鳳凰の頭、箜篌(くご)を持つ。
左手は獅子の頭の上で曲げられ、右手は垂れ下がっている。
象徴:密教で崇拝され、恐れを知らないという意味を表している。また、三十三身のうちの毘沙門身を
表しているとも解釈できる。
守護:すべての存在を恐れなくする。
22. 葉衣観音
くさぶとんを敷いた岩の上に座っている。
象徴:胎蔵曼荼羅蓮華部院の被葉衣菩薩と同体。
守護:商売繁盛、無病息災、健康長寿。
23. 瑠璃観音
蓮華座に乗り、水に浮かび、右手に柳、左手に香炉を持つ。
守護:あらゆる苦しみから救済する。危険な時にこの経を千回唱えれば、死者は復活する。
24. 多羅尊観音
中年の女性の姿で雲の上に立ち、慈悲深い目ですべての生き物を彼岸へと導いている。
象徴:多羅は「目」「瞳孔」を意味し、観音菩薩が世界のすべてを見通す能力を象徴している。
守護:妊婦の安産。
25. 蛤蜊観音
ハマグリの上に座っている。
守護:人々の苦しみをなくす。
26. 六時観音
立ち姿で、右手にお経を持っている。
象徴:昼夜24時間、衆生の世話をする。
守護:六道の苦しみから解放される。
27. 普悲観音
白装束に身を包み、両手を法衣の中に隠して前に垂らし、丘の上に立っている。
象徴:衆生に対する慈悲、観音菩薩の威徳、慈悲と功徳を象徴する。
守護:救済されること。
28. 馬郎婦観音
法華経を持ち、蓮華座に座って水に浮かぶ女性の姿。
象徴:業障が重い衆生を憐れみ、衆生の姿に変身して衆生を救済する。
守護:煩悩を取り除く。
29. 合掌観音
合掌し、大きな蓮の花の上に立つ。
象徴:合掌は、煩悩から解き放たれることを願い、敬虔な気持ちを表す。
守護:互いに調和すること。
30. 一如観音
雲の中で蓮華座に座り、左膝を立て、右手は説法印を結ぶ。最高の修行状態を象徴する。
象徴:一は不二を意味し、如は不異を意味する。すなわち一如は真如の理を意味する。
守護:雷や稲妻を鎮める。
31. 不二観音
蓮の葉の上に立っているまたは座っている。天衣をまとい、水面に自由に浮かんでいる
象徴:八万四千の法門のうち、不二法門が最も高いことを象徴する。
守護:すべての衆生から災難や困難を取り除き、無限の福と長寿を守護する。
32. 持蓮観音
蓮の花を手に持ち、蓮の葉の上に座る可憐な少女の姿。
象徴:少年少女身の持蓮観音は、無垢な少年少女を蓮の花のつぼみに喩え、
花の開花を待ち望む蓮華観音の純粋な菩提心を表している。
33. 灑水観音
右手に柳の枝を持つか法印を結び、左手は水を撒く。あるいは右手に瓶を持ち水を撒く。
象徴:清らかな香水を撒くことで、衆生の深い煩悩や煩悩で汚れた穢れを清める。
衆生の利益のために大悲甘露を撒くことを意味する。
守護:洪水から救われ、大地に実りをもたらす。